ハリポタほかひとこと感想

まああの丸眼鏡のガキんちょがですよ、えらく色っぺえ少年に成長してんのね。演技だって上手くなってるし、初期のころの「お前ハリポタ終わったら仕事なくなんじゃねーの」的な不安感はゼロですよ。すごくいい感じで成長していってるんだと思います。ストーリーも原作を思いっきり削って、ハリーの青春ものとしての面をフォーカスしたのが効を奏してる。ただ、ほとんど復習しないで観に行ってしまったため、5作目ともなると設定が何がなんだか。この人とは過去にこういう経緯があってこの人はええーっと…みたいな感じでちょっと落ち着けませんでした。初参加のヘレナ・ボナム・カーターはよかったですね。あの人なんであんなに病んだ役が似あうのか。だんなか!

マギーQは確かに元レディ・ウェポンですが、基本的に人間なのね。ターミネータ―3のT-Xさんじゃないのね。死ぬっつうの。素で車と対峙して、なおかつまだ生きてるってどんなタフなの。ということでマギーVSブルースのまさかのガチンコ勝負が今作の一番の観どころ。これ、別にダイハードじゃなくてもいいんだろうね。ただ、ブルース・ウィリスが主役級の役者として未だに高い水準を維持していて、しかもこの人の演技が一番冴えるのがやっぱり刑事をやらせた時ときてる。よおし、ここは四の五の言わず思いっきり彼に刑事役やらせてみようぜ!ダイハードなら観客に余計な設定を説明せずにすむし、見せ場をドカンドカン詰め込めるしね!ってこと、なのかな?まあ、とても面白かったですよ。

悲しいかな私は香港映画ファンでありどう転んでもこの映画を公平な目で観られないことは確実なので、観に行くのにかなり迷った挙げ句、やはりここは素直にハリウッド進出を喜ぼう!と思って足を運んだのですが…。なんかそれが逆によかったみたいです、その、ものっすごく期待しないで行ったことが。デカプーがねえ、いい味出してんのねえ。あんなにとっちゃんぼうやとっちゃんぼうや言われていたのに、まあ嘘みたいなカッコよさ。痩せたってのもあるし、役どころが年相応ってのもあるでしょうけど、すっごい役にハマってるんです(彼はヤン=トニーの方ね)。かつて「ギルバート・グレイプ」で「なんかものすげえやつ出てきたぞオイ!」と世界を驚愕させてから早13年。よーやくその期待に応えることが、できたんじゃないかなどうなのかな?ぐらいのところにレベルアップしましたね(ほめてますよ)。あとは、予告編を観て感じていたことだけど、割とオリジナルに忠実なのね。屋上のシーンもさ、似たような場所ちゃんと探してきて、アングルまでマネてるのね。それはスコちゃんグッジョブと思いました。

HARRY POTTER AND THE ORDER OF THE PHOENIX

2007年/アメリカ 監督:デイヴィッド・イエイツ 出演:レギュラー陣、イメルダ・スタウントン、ケイティ・リューング(Katie Leungとあるのでケイティ・レオン?リューングて)

THE DEPARTED

2006年/アメリカ 監督:スコちゃん 出演:デカプー、ジミーちゃん、シャイニングの人、猿の惑星

レミーのおいしいレストラン

bibio2007-07-26

ピクサーのすごいところは、絶対に面白いっていう保証があること。なおかつ、常に新しい表現を開拓しようと挑戦しつづけることだと思うんです。技術なんは「バグズライフ」のころから比べると恐ろしいほど進化しているし、今のレベルだったら何をアニメにされても多分納得して観ちゃうと思う。けど、制作側はそれで満足してないんですよね。「まだまだ俺たちこんなもんじゃないぜこーんな絵とかも作れちゃうんだぜ」という押しの姿勢が観ていてグイグイ伝わってくる。だから、虫のおもちゃの怪物の魚の車のと、世界観をコロコロ変えて作品にしても破綻がない。もちろん、しっかり練られたストーリーラインによる裏打ちもあるでしょう。この2本柱が両立するって、しかも両立し続けるってのは、やっぱりすごいと思います。

と持ち上げておいてなんですが、今回、ちょっと地味じゃね?映画って「カリブの海賊」みたいなビッグバジェットばっかりじゃなくて、例えば「フォーンブース」とか「16ブロック」みたいな、派手さはないけどヒネリが効いてて面白い話、ミニシアター系のちっさいハコで観て「これは拾い物だな」と一人ほくそ笑むような、そういう小作品も多いと思うんです。で、この「レミー」、どっちかっていうと小作品系に入る気がするんですよ。お話の中心となるのがレストランなんでスケールもちっさめ、登場人物も多くないですし。おまけに今回は人間が住む現実の世界が舞台で、そんでもって絵もストーリーもこなれてるから、時々実写を観てるような気分になる。絵としての興奮が少ないというか、モンスターズインクとかインクレディブルズを見たときのような、ああすごいもん観たー!っていう感覚に欠けるんですよねえ。

まあ、面白ければそれでいい、とも思いますけど、何つうかちょっと期待はずれ?メガマック食いに行ったらつくねライスバーガーが出てきた気分とでもいえば、いや分かりづらいよ。やっぱりピクサーなんで新作だワーイって観に行くでしょ、それが、ああ、今回こんな感じなんだみたいな。別にまあ、こういうのも悪くないけど、ちょーっと消化不良かなあ、レストランだけに(うまいこと言いましたよ今)。ただ、ねずみは凄いですよ。かさこそ走り回る姿とか、雨に濡れたときの質感もそうですし、あとは表情の付け方。やけにリアルなねずみなんで最初「うわっ」と思うんですけど、お話が進むにつれ案の定かわいく思えてくる。やっぱり今作のメインなんで、ねずみには力を入れてますね、ディズニーだけに(またうまいこと以下略)。

Ratatouille

2007年/アメリカ 監督:ブラッド・バード、ヤン・ピンカバ 出演:パットン・オズワルド、ブライアン・デネヒー、ジャニーン・ガロファロー、ビルボ・バギンズ

テラコッタ・ウォリア 秦俑

ケイズシネマの「中国映画の全貌2007」で鑑賞。観ていてお尻がモゾモゾするような、妙な居心地の悪さを感じていたんですが、途中で気づきました。この感覚、覗き見だ。だってこの作品、主演がチャン・イーモウコン・リーで、しかも内容は二人が障害に阻まれながらも一途に思いあうラブロマンスなんだもの。それ、モロ君らの私生活じゃねーのって話ですよ。本来なら他人には隠されているはずのプライベートに図らずも踏み込んでしまった気分ですよ。いや、もちろんこれは映画ですからね、お二人は演技としてやってらっしゃいますので、観ているこっちがこんな気まずい思いをする必要は全くないんです。むしろ色眼鏡で観るほうが姿勢として間違ってるって何あのラブシーンの生生しさ。いやもちろんお二人はプロですから一切私情を交えずにお仕事としてやってらっしゃると思うのdとはいえ私がわざわざこれを観に行ったのも8割が野次馬根性からだったりするので(残りの2割は「ハニワ戦士」という題が気になったからですが*1)、まあ、あの、文句をいう資格はゼロです。なんかこれ、スクリーン上映は日本で初めてだそうで、わりと貴重なものを観たってのにそんなことばっか考えてました。
お話は秦の始皇帝が中国を統一したところから始まります。主人公の蒙天放(モン・ティエンファン)は始皇帝に仕える剣士。忠誠心にあつい節士だった彼ですが、人身御供の童女・冬兒(トンアル)と許されぬ恋に落ちてしまったことから運命が急転直下。皇帝の怒りを買い、冬兒は火刑、天放は俑として墓所に埋められてしまいます。今生の別れに冬兒が天放に与えたのは、彼女が密かに手に入れていた不老長寿の薬でした。
そして時は流れ1930年代。長い眠りについていた天放は、冬兒に生き写しの二流女優、朱莉莉によって目覚めさせられます。「冬兒!お前はワイの冬兒なんや!」とひつこくつきまとう天放を最初はうざがっていた莉莉ですがそこはあれですよ、いろいろトラブルが起こってその都度天放が彼女を守るんですよ。そうすると、エンダァァ〜イヤァ〜イア〜〜*2の法則で二人の距離が縮まるんですが、がしかしっ!とゆう、壮大なんだか荒唐無稽なんだかという話です。まあね、導演がチン・シウトンだからってのもあるでしょうが、チャン氏の剣さばきのかっこええこと!そもそも「映画監督」という印象しか持っていない立場から観ればですよ、まあアクションはキビキビとこなすでしょ(顔写ってないシーンも多いけど)、前半のメロウな悲恋物語ではストイックかつ男気あふれる演技で魅せたかと思えば、後半の近代中国パートでカルチャーギャップに戸惑う様子では絶妙なコミカルさを披露とほんと何者ですかあの人は。マルチすぎるだろう、人としてマルチすぎるだろう。コン・リーも初期のころなんで初々しく清純なキャラクターで登場するし、「人に歴史あり」な感じで面白かったです。あといきなりテロップで「2000年後」とか出せるあたり中国やっぱすげえと思った。

古今大戦秦俑情 A TERRA-COTTA WARRIOR

1989年/中国・香港 監督:チン・シウトン(程小東) 特撮:ツイ・ハーク(徐克) 出演:チャン・イーモウ(張藝謀)、コン・リー(鞏俐)、ウー・ティエンミン呉天明

*1:キョンシーみたいな感じで墓から出てきたハニワが人々に襲い掛かる話、だといいなと思ってました。

*2:イウオーウェイ〜アァ〜〜ビュ〜ウウゥゥア〜〜

痛恨

http://news.brokore.com/content_UTF/Read.jsp?page=0&totalcnt=null&num=4712
みゆき座6時の回だったら行けたのに…緊急すぎるよトニー…。
昨日一日はしばらくネットを開く気にもなれなかったです。やはしニュースは毎日チェックしないとダメね…。
悔しすぎるのでルポを集めます。せめて行った気分に…くっ…
http://blog.goo.ne.jp/takanyan_october/e/051e33e537b88ce4b7fa3cfed0e58c1e
http://nancix.seesaa.net/article/48116255.html
http://hkaddict.blog26.fc2.com/blog-entry-1639.html
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0720&f=entertainment_0720_001.shtml

プロヴァンスの贈りもの

例えばテレビを観ていて、そこに芸人さんが登場して、そいつが面白くなかったら、人はどういう行動に出るか。テレビのチャンネルを替えるか、トイレにでも行ってしまうか、まあどうせ3、4分のことだし、と我慢して観ちゃうか、そんな感じだと思うんです。例えそいつが相当痛いスベリ方をしていても、観る側には回避するすべがある。もしくは精神的余裕があるんです。
しかしそれが通用しないのが映画館。そしてスベリ続けるのが主人公のラッセル・クロウ。普段冗談とか言わないやつがおそらくすごい勇気を出して面白いこと言ってみたらびっくりするほどつまんなくって周囲ドン引きしちゃって、でもお互い何となく気を使って突っ込むこともスルーすることもできず全員いたたまれない気持ちになる、例えていうならそんな感じ(なげーよ)の映画です。逃げ場はありません。2時間耐久レースです。おまけに上映中は他のお客様とのおしゃべりはご遠慮しなくちゃいけません。ひたすら耐えるか、さもなくば1800円を「なかったこと」にして映画館を後にするか、2択しかないんです。
一応、私なりに感じた敗因を挙げておきますと、イメチェンに「ラブコメ」を選んだまではまあ悪くない。いや、正直ちょっと楽しみにしてたんですよ。しかし、やつにトム・ハンクスは無理だっちゅう話ですよ。あんなプライド高そうなガチムチ男を捕まえて、コミカルで軽妙なセリフ回しにベタなドタバタ劇ですよ。そんなラッシー観て喜ぶやつ世界で3人ぐらいしかいねーよ。明らかにツッコむ側の人間が無理矢理ボケたら痛いでしょ。こうなっちゃうのかなあ、ラッシーここに来てちょっと残念な感じになっちゃうのかなあ。あんた、2000年ぐらいまでは間違いなくこの世で一番モテてた男だったのに。
まあ、これ一作くらいだったら「なかったこと」にできますからね。コメディとの相性自体は決して悪くないと思うんで、次、まあ、頑張ればいいんじゃないかしら。