007 カジノ・ロワイヤル

bibio2006-12-02



ボンドです。この前ついに、殺しのライセンスを持つ「00(ダブルオー)」に昇格しました。これで暴れたいほうだい撃ちたいほうだい、やったね!と思ったのに、Mったら国際ルールがどうとかグチグチうるさいんですよ。おまけに最初の任務がテロ組織の資金運営してる奴とカジノで勝負だなんて、ちょっと待ってオレ新人なんだけどって感じですよね。でもお目付役の彼女がとっても美人だから、まあいいかな〜なんて思ったりもしてます。さて、来週の007は「主題歌は必要ない」「ポーカーのルールが分からない」「エヴァは今回ポロりません」の3本です!んっまっつっつ!



ついつい公開初日に観に行ってしまいました。いや、超面白かったです。役者さんが若返ったというのもあるだろうけど、とにかくボンドが動く動く! のっけから工事現場でヤマカシ並みに飛んだり跳ねたりする犯人を追いかけて壁をブチ抜くわクレーンからダイブするわ、大使館に舞台が移れば人質かかえて銃撃戦→さらに建物爆破の大サービス。まさにアクションつるべ打ち、しかもこれがオープニングですよ。その後もさらに空港カーチェイスやホテル内ガチンコバトルがあったかと思えば、シャワールームで優しーく女性を慰める場面もあったりと、ツボを抑えまくったシーンの連続。ラストのキレのよい終わり方まで、娯楽がぎっちり詰まった144分(あ、2時間超えてたのか。気づかなかった)でした。いかにも007っぽい、アホみたいに高級そうな服や車(もちろん非常識に高機能なオプションつき)や、ヨットでクルーズとか南の島でバカンスなんかも出てきますし。Q、というかジョン・クリーズが不在なのが残念。あと、今回珍しくMI6の内部の様子が出てきてるんですが、あれはなくてよかったかも。なんか24とかのテレビドラマみたいで、そこだけ妙に安っぽい気がしました。


公開前はボコボコに叩かれまくった*1ダニエル・クレイグですが、観てるうちに何となくその理由がわかったような気がします。体型はガチムチで丸顔、何より金髪碧眼なボンドって、やっぱり目の当たりにすると多少違和感ありますね。いかに今までのボンドたちに自分が刷り込まれているかが分かって恐ろしいです。個人的にはピアース・ブロスナンよりかれの方が100倍いいと思います。だって「おっさん臭さ」がないもの。いくらギャランドゥを見せられても許せるもの。今までのボンドが、お色気むんむんの「ねっとり系」とすれば、ダニエルは「つるり系」か。い、いや毛髪の話ではないですよ。雰囲気が爽やかなんですよね、ギトギト度が薄いというか。今年38歳だそうですが、がんばってこの路線をキープして欲しいものです。

悪役の、プーチン似の彼もいやらしくてよいですね。あんなに拷問姿が似合う人もなかなかいないんじゃないでしょうか。ジュディ・デンチは作を重ねるごとに出演時間が増えてる気がします。影の大ボスなんだから、あんまり顔は見せないほうがいいのでは。まあ彼女がいるから、作中のMI6もそんなひょっとこ組織に見えないんだろうけど。

キャラクターだけでなく、ストーリーもややリアリティ寄りになっている印象ですが(脚色にポール・ハギス参加)心機一転という意気込みが伝わってきます。設定が荒唐無稽なのも*2ボンド映画の面白さでしょうが、この硬派路線もかっこよくていい。次回作が楽しみです。ってこんなにホメるつもりじゃなかったんだが。

*1:背が低い、貧相、船酔いするヘタレ、免許がオートマ限定なヘタレなど。旧作シリーズのファンによる「映画観に行くのやめようぜ」運動まで起こっていた。

*2:透明カーは、あれはないよなあと誰もが思ったはず。