エレクション2/黒社會2

20日有楽町朝日ホールで鑑賞。

2年が経過し、「和連勝会」はふたたび会長選挙の時期を迎えていた。今回有力視されているのはビジネスマフィアとして成功を収めているジミー(ルイス・クー)。しかし密かに堅気の世界を夢みるジミーは立候補を拒否しており、ロク(サイモン・ヤム)は自らの再選を確信していた。しかし大陸の警察と接触したジミーは、ビジネス拡張のためにはボスの肩書きが必要だと知り、立候補を決意する。不利な状況に追い込まれたロクはジミーの暗殺を画策。両者の間に熾烈な抗争が巻き起こり、組織は再び混乱に陥る。



ああ、前作よりは分かりやすくなった…。だいぶ表現が映画的になったというか、前回のやや鈍重なタッチに比べて、展開がテキパキしています。道路をトラックで封鎖するとことか、普段のジョニー・トーっぽいシーンも出てくるし。
しかし、しかーし!私、これ見る前にハンバーガー食ったんですよ、ええ。終わるの9時くらいかなーと思って、腹ごしらえ〜と思って、ウェンディーズで。
もうね、 せ り あ が っ た っちゅうねん!胃腸の変なところで「ぎゅえ」とかそんな音したっちゅうねん!ああもう、そんなことするんだったら言ってくれよ〜ウェンディーズ入る前にさ〜(無理)。
つまりそんだけスプラスティックなシーンがあったとゆうことで、前回より残酷描写がきっついです。そもそもがリアリティあるし「もうこれやっちゃってんだからさこういう風に写すしかないわけよ」とでも言いたげに淡々と描写するので、オブラートに包まれることもなく伝わり方がモロ。いや、肝心なところは微妙にフレームアウトしたりシルエットだけだったりするんですけどね。これ、ちゃんと公開されるのかあ?リカットされてもレイトショー扱いになりそう。
前作ではちらっとしか登場しないルイス・クーが今作の主人公。前作がおっさんだらけだったので「これじゃイカン!」とフィーチャーされた、わけではもちろんなく、彼はいわゆる新世代マフィアの代表選手。ロクやディーが一応組織の伝統を尊重していたのに比べ、ジミーは龍頭棍なんてどうでもいい。組織にいるのはあくまでもビジネスのため。いずれは足を洗い、自分の子どもたちは医者や弁護士にするんだと願う純朴な一面も併せ持った人物として描かれています。ただし組織にいる以上、暴力や権力争いからは避けて通れない。「和を以って貴しと為す」その規律に絡めとられまいと必死の抵抗を試みる姿は、凄惨だけれども切ないです。そしてようやく秩序と安寧を手に入れたと思ったら……。ルイス・クーが、はまり役とも言えるほどのオーラを放っています。演技うまいなんて今まで一度も思わなかったけど、見る目が変わってしまいました。
前作では下っ端構成員だったニック・チョンやラム・ガートンも次期会長への意欲を見せます(2人とも超かっこいい見せ場あり!)。ヒットしたからの続編ではなく、旧世代と新世代、1と2が揃ってこの話は完結するんですね。今回続けて鑑賞できたのはラッキーだったのかも知れません(疲れたけど)。
ラム・シューが完全にコメディリリーフになってしまったのは笑えました。ええんよ、あんたはそれでええんや。

黒社會2 以和為貴/Election2

2006年/香港 監督:ジョニー・トー(杜蒞峰) 出演:ルイス・クー(古天樂)、サイモン・ヤム(任達華)、ニック・チョン(張家輝)、チョン・シウファイ(張兆輝)、ウォン・ティンラム(王天林)、ラム・ガートン(林家棟)、ラム・シュー(林雪)