ハッピーブラザー

bibio2006-11-15

両親はテレビの前が指定席、長男は貞淑な妻を放り出してワガママ女と浮気中、オカマ気味の次男は勝気な従姉妹とケンカが絶えず、女好きの三男は映画マニアの彼女に振り回されておおわらわ。そんなはちゃめちゃな一家にある夜、酔っ払った長男が浮気相手を連れて帰っちゃったからさあ大変。妻は家出し長男は浮気相手を家に居据え次男は従姉妹との距離が縮まっちゃってどぎまぎし三男はうずらの卵に頭をぶつけて心神喪失状態に。果たして一家は無事大団円を迎え、幸せを手に入れることができるのか?




いわゆる旧正月映画ということで、豪華キャストが揃った楽しいドタバタコメディ。なんと言っても、次男役のレスリーが最高!女よりも女らしいフラワーアレンジメント(でいいのかな?)講師なんですが、しゃべり方から手つきなどの細かい仕草まで完っっ璧に演じきってますね。俳優としての実力を見せ付けられた感じです*1。長男の妻(サンドラ・ン)の一番の理解者でもあり、家出した彼女を親身になって慰めるなど、オカマなのに家族の中で唯一まともな人物、というのが笑えます。
三男のナンパなラジオDJ役は星爺(このころは星仔か)。笑いは俺にまかせろと言わんばかりの弾けっぷり。体を張ったギャグやヘンテコな衣装がポンポン飛び出し、いつも以上にシュールです。恋人役のマギー・チャンも、自分をハリウッド女優だと妄想する「東方三侠」寄りの爆発キャラで、この二人が登場すると映画の破壊力が5割増になります。「プリティウーマン」「ターミネーター」など名作のパロディシーンもいっぱいで、特に「ゴースト」のロマンチック〜な陶芸シーンが、ああ、そんなことに…。
ギャグばっかりでなく、夫に依存していたサンドラ・ンが家出し、職を得てしっかり自立していくところ、ラスト近くの家族の絆を感じさせるシーンなど、シリアスな面もきちっとおさえてあり、うまくまとまっている印象です(脚本はビンセント・コク)。最後は全員でお正月のご挨拶もあり、なんとも贅沢な気分にさせてくれます。

家有[喜喜]事/All's Well, End's Well

1992年/香港 監督:クリフトン・コー(高志森) 出演:レスリー・チャン張國榮)、チャウ・シンチー周星馳)、レイモンド・ウォン(黄百鳴)、サンドラ・ン(呉君如)、マギー・チャン張曼玉)、テレサ・モウ(毛舜[竹/均])

*1:ファンの間では彼は「女優」と認識されているそうですが、心から同意します。