「I'll call you」を観た

TOHOシネマズ六本木にて、ラム・ジーチョンの「I'll call you」を観る。

気弱な会社員のマン(アレックス・フォン)は、ある夜バーで出会った美女、カレン(ビアン・リアン)に一目惚れ。なんとかデートする仲にこぎ着けるが、彼女は「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンばりにワガママで自分勝手な女性だった。「僕は一体何なんだ!?君の恋人じゃないのか?」とキレるマンだが「友達に決まってんじゃない!」と一蹴されてジ・エンド。しかし2年が経過しても彼女を忘れられないマンは、友人や謎のお坊さんの励ましを受けてカレンに電話をする。久しぶりに再会した二人は、気さくに何でも言い合える「お友達」としての関係を築いていく。



 お話としては「猟奇的な彼女」ミーツ「恋人たちの予感」な感じ。マンがカレンのわがままを笑顔で聞いちゃう様子や、デートのたびに洋服をとっかえひっかえ選ぶところが健気で時にみょーにリアル。「も、もしかして…これ監督の実体験?」などと邪推しながら観ました。アレックス・フォンの、ふわりとして何も持っていなそうな雰囲気が役にぴったりですね。周りが濃ゆいキャラばっかりだし…しかし父親が林雪で母親が元秋って、いまにも出刃包丁ひっつかんで闘い始めそうぢゃないか。(特に林雪のあの腹ときたらもう)*1

主人公の友人役にいとうせいこう(違)とチャン・クォックワン(ダニー・チャンって英名?)。チャン・クォックワンに、こういうノリのいいお兄さん的なイメージを持ってなかったのでちょっとびっくりしました。何でもこなせる人なんだなあ、という。いとうせいこう(違)*2はおいしいですね、ギャグ担当かと思いきや、グッとくる台詞をシリアスに決めたり、えらくかっこいい。この3人の友情はほんわかします。カレン側にこういうフォローがないので、彼女が本当に寂しい人に見えてちょっと気の毒です。


初監督ということですが、心情描写が細やかなのが印象的でした。もう少し力を抜けば、次の作品も期待できそうですね(←すごく偉そう)。しかし最近俳優さんの監督デビューが多いなあ。



得輭飲茶/I'll call you

2006年/香港 監督・脚本:ラム・ジーチョン(林子聰)、出演:アレックス・フォン(方力申)、ビアン・リアン(梁慧嘉)、ダニー・チャン(陳国坤)、ラム・ガートン(林家棟)、マッスル・モンク(大隻[イ老])、ラム・シュー(林雪)、ユン・チウ(元秋)

*1:グッド出っぱら親父会々員の一人として心のファイルに保存しときます。(会員はほかにン・マンタさんがいますもちろん)

*2:後日、この映画を見た人と話をしたのですが、あの人はもういとうせいこうでいい、という結論に達しました。