ベスト・オブ・ザ・イヤー


■マン・オブ・ザ・イヤー:ラム・ガートン

名前:林家棟、マンダリン表記:Lin Jiadong、広東語表記:Lam Ka Tung、英名:ゴードン・ラム(Gordon Lam)、あだ名:老棟(ロウトン)

1967年9月21日生まれ。TVB俳優養成所の第15期生。卒業後、95年から本格的に芸能活動開始。デビュー作は「八宗罪」(95年)。「ラム・カートン」とも。エラの張った骨格×細くつり上がった目はどこか蟹江敬三を思わせなくもない。また眼鏡をかけるといとうせいこうそっくりに見えることも確認されている*1。いろんな映画に出まくっているものの、一見地味な容姿のため、意識して観ないと出演してることに気づかないときもあるが(←ひどい)、近影を拝見するにめちゃくちゃ端正な顔立ちの方である。「インファナル・アフェア」(02年)で警察に潜入したマフィアのスパイを演じて日本での認識度もあがった模様。「ジェネックス・コップ」(99年)などのチンピラ役から「ラブ・イズ・マネー」(01年)のようなアフォな能天気男まで何でもこなす実力派。アンディ・ラウと一緒の映藝控股有限公司に所属しており、アンディとの共演も多い。特に「ダンス・オブ・ドリーム」(01年)の歌って踊れる社交ダンス教室の助手役は必見(映画はイマイチよ)。06年に日本で公開された作品は、映画祭上映も含め「エレクション1&2」(05&06年)「得輭飲茶/I'll call you」(06年)「師奶唔易做/My Mother is a Belly Dancer」(06年)「イエスタデイ・ワンスモア」(04年)と5作品に渡り、にわかにブレイクの兆しを見せている(私のなかで)。個人的には「師奶唔易做」のヌボーとしたダメ夫役が一押し。主な作品は他に「ベルベット・レイン」(04年)、「天下無賊」(04年)など。新作は「放・逐」(サイモン・ヤム、アンソニー・ウォン)、「神探」(ラウ・チンワン、アンディ・オン)と、ジョニー・トー監督作品が続く模様。


ウーマン・オブ・ザ・イヤースカーレット・ヨハンソン
Scarlett Johansson。1984年11月22日生まれ。ニューヨーク出身。8歳の時からオフ・ブロードウェイで活躍し、「ノース/小さな旅人」(94)でスクリーンデビュー。06年もっとも躍進した女優は間違いなく彼女だろう。ムチムチの恵まれたバディを惜しげもなく晒しまくり、22歳にしてハリウッドのエロスアイコンの地位を確立。ダイエットを嫌い、まんじゅうみたいなバストに「マイ・ガール」と名付けるなど、自らもその豊満さがいたくお気に召している模様。とかく自信たっぷりな様子はプライベートでも見受けられ、サイトロにどっぷりのトム・クルーズを「本当の馬鹿ね」と呼んだり、「ガリガリな体型ばかりがもてはやされるハリウッドは間違っている」などと批判するなどご意見番的な発言も多く、すでにオバハン化しているとの見方も。実生活では「ブラック・ダリア」で共演したジョシュ・ハートネットとベッタリ濃厚な交際を続けている。そのうち30歳くらいになったとき、デミ・ムーアみたいに若くてカワイイ子を捕まえて侍らせるのか、キャサリン・Z・ジョーンズのように金が余ってる枯れかけのおっさんを引っ掛けて貢がせるのか、やや気になるところではある。


■ボーイ・オブ・ザ・イヤー:「ドラゴン・プロジェクト」の強い男の子
役名あった気もするが…。めちゃくちゃ動きが本格的で立ち回りもキレイだが、CGもスタントダブルもなしだそうだ。すげえ。


■ガール・オブ・ザ・イヤー:ジョデル・フェルランド
Jodelle Ferland。1994年10月9日生まれ。カナダ出身。「ローズ・イン・タイドランド」(05)のジェライザ=ローズ役で一躍話題の人に。若干11歳にしてエロス漂う背徳的な美少女を演じ、多くの観客の内なるロリ属性を目覚めさせた。愛らしさだけではなく演技力も卓越しており、スクリーンでは周囲の大人たちを軽く食ってしまうほどの存在感を発揮する。月影先生が見たら「恐ろしい子…!」と白目を剥いて絶句するだろうことは想像に難くない。あくまで「少女」の域から脱却しない(まあ当たり前ですが)ダコタ・ファニングとは対極の位置にいる子役である。その後はホラー映画の「サイレント・ヒル」(06)に出演と、ややキワモノ路線が続いている。更なる活躍を祈りたいところだが、可能な限りまっすぐ育ってほしくもあり、今後の成長ぶりがちょっとお姉さん心配。


■ヒーロー・オブ・ザ・イヤー:ダニエル・クレイグ
リターンズした青と黄色と赤の彼氏ごめんよ。どう考えてもこっち。


ヴィラン・オブ・ザ・イヤー:ネイサン・ジョーンズ
212cmのタッパを誇る「ストロングマン・コンテスト」(って何…?)世界選手権王者。06年は「トム・ヤム・クン」「SPIRIT(Fearless/霍元甲)」と、ちっこいアジア人にぶっ飛ばされる役で連続登板。台詞の大半が咆哮という非常においしいキャラクターで楽しませてくれました。


■バトル・オブ・ザ・イヤー:サモ・ハン・キン・ポー×ドニー・イェン(「SPL 狼よ静かに死ね(殺破狼)」)
四の字固めに背負い投げ、ドロップキックに回し蹴り。さながらルール無用のバリトゥード。びっちりアンコが詰まった薄皮まんじゅうのように、どこをとっても見応え十分のガチンコバトルでした。ドニーの顔が真っ赤に腫れ上がってたのは決して特殊メイクではないと思う。これで40と60だってんだから何をか言わんやですよ。いやーパート2が楽しみですね!(谷垣健治氏のブログを見る限り、続編というより完璧に別物になってる気がしますが…)


カップル・オブ・ザ・イヤー:ジェイク・ギレンホール×ヒース・レジャー(「ブロークバック・マウンテン」)
ドニー・ダーコ」の頃から密かに愛でていたジェイク君がこれで一気にメジャーな存在になっちゃったのが寂しくもあり嬉しくもあり。でもやっぱり顔が短いティーンの頃のほうが可愛かったなあ…い、いやゴホゴホン。とにかくこれは本当にいい映画だと思う。今年ナンバーワンです。アン・リー監督には快哉を叫びたい。うーん、どうも真面目な意見は書けないなあ…。


■まとめ・オブ・ザ・イヤー
今年劇場で見たのが多分60本くらい、ビデオ・DVD鑑賞もおそらく同じくらい。東京国際映画祭・フィルメックスに初参加して、何よりラム・チーチョンさんに質問できたのが一番の思い出でした。07年はもう少し頑張ってアジア映画を観ようと思います。公開時期がなかなか確定せず決まったと思ったら2週間公開でとっくに上映期間終了してたとかぶっちゃけ六本木とか大森まで観に行くのが面倒くさいとか、そういうのを頑張りたいと思う。うん。

*1:あれは、本人じゃなく眼鏡が似ていただけ、との噂もある