スネーク・フライト

大物マフィアのドン、エディ・チャンによる殺人現場を目撃してしまったハワイの青年、ショーン。組織を追うFBI捜査官フリンとともに、裁判の証言をするためロサンゼルスへと向かうことになったが、搭乗した飛行機には、ショーンの抹殺を企むチャンの手により大量の毒蛇が隠されていた。はるか上空で解き放たれた蛇たちは、乗客やパイロットに次々と襲い掛かる。


ファーストカットがビーチを闊歩するビキニのお嬢さん、真っ先に蛇に襲われるのがトイレでいちゃつく新婚カップルと、やることがいちいち正しい映画です。3年後くらいに東京12チャンで土曜夜中の3時*1から放送しそうなといえば分かりやすいか。分かりやすいですね。

最初「飛行機に蛇がいっぱい」というあらすじを見たときは「それで2時間持つのか?」と思いましたが、いや、持つものですね。どんな場所にも音もなく入り込むし、たったひと噛みで相手(人間)を倒しちゃうし、とにかく蛇、最強。観ているうちに「蛇で目標抹殺」というのもそれほど狂ったアイディアではないな、という気にさせられてしまいました。

登場人物はみな徹底してB級映画の類型キャラです。アネゴ肌の美人CA、自分の安全しか頭にないビジネスマン、潔癖症な成金ラッパー、アジア系のキックボクサー、ほかにも赤ちゃん連れの母親、子犬(!)まで、オールキャスト勢ぞろいといった感じです。序盤はそれぞれの「役割」をきっちりこなして楽しませてくれるのですが、中盤からサミュLが「マザファッカ」を連発し始めるため、とたんに影が薄くなってしまうのが残念です。
 
奇抜な設定ばかり強調されているフシがありますが、「本能で動く蛇」VS「知力で対抗する人間」という基本構図が最低限できているので、意外にもまともなサバイバル映画という印象です。しかし、主人公はちょっとゴリラ顔ですね。もっとかよわくて若い子はいなかったのか。

Snakes on the Plane

2006年/アメリカ 監督:デイヴィット・エリス 出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス、レイチェル・ブランチャード

*1:言わずもがなではありますが3週連続でブルース・リー映画を流したりする大変に素晴らしいワクです。